DX人材とは?求められるスキルセットやマインド、人材確保の方法も解説
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉を耳にするようになりました。
しかし、実際にどのような人材が必要なのかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
- 今なぜDX人材が求められているのか?
- DX人材にはどのようなスキルやマインドが必要?
- 実際にDX人材を確保するにはどうすればいい?
この記事では、これらの疑問について詳しく解説します。
DX人材を活用してビジネスをより良いものにしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
DX人材とは?
そもそもDX人材とはどのような人材を指すのでしょうか。
ここでは、DX人材の定義や、必要とされる理由・人材不足な理由について詳しく解説します。
DX人材の定義
経済産業省が2020年に発表した『DXレポート2中間取りまとめ』では、DX人材を以下のように定義しています。
自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実 現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材
つまりDX人材とは、IT技術をビジネスに有効活用し、企業の価値を高めることを具体的に構想できる人材を意味します。
これまでのビジネスにおいてITの活用とは、単なる業務の効率化・人件費の削減などを目的と考えるものが多かったのではないでしょうか。
しかし、これからは目の前の業務だけでなく、企業価値を高めるためにデジタル技術を活用すべくビジネス全体を見渡せる能力が求められるのです。
このようにDX人材とは、IT技術とビジネスそのものを結びつける役割を果たす人材であるといえます。
DX人材が必要とされる理由
「DX」という言葉そのものは耳にすることも多いですが、なぜ今DX人材が必要とされているのでしょうか。
実は、DX人材が求められる背景に「2025年の崖」があります。
2025年の崖とは、企業のDX化が進まなかった場合に2025年以降に起こる経済損失のことです。
経済産業省が2018年に発表した『DXレポート』では、多くの経営者がDXの必要性を理解しているものの、さまざまな要因からDX化を進められていないと指摘しています。
さらにこの課題を克服できない場合、2025年以降には最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性もあるというのです。
このような大きな損失を防ぐためにも今の企業にはDX人材が必要とされており、またその促進が国ぐるみで行われています。
DX人材が人手不足な理由
2025年の崖を防ぐためにも必要なDX人材ですが、人手不足であることもよく言われています。
2016年に経済産業省が発表した『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』では、日本のIT人材は減少していき、2030年には2016年から7%以上減るとの試算です。
今後もITの市場・ニーズは拡大が見込まれることから、ますます人材不足は深刻化するといわれています。
また、現行の技術を使いこなせるだけでなく、次々に進化する新しいテクノロジーを持った人材も不可欠です。
ビッグデータ・IoT・AIなど、先端技術を身につけた人材を生み出さないと、DX人材を確保し続けることは難しくなるでしょう。
CC-Dashのサービスにはデータ収集や分析・活用に関するソリューション、保守運用サービスなど幅広く提供をしており、人材確保が困難な中でも効率的なリソースでDX推進を実現できるサービスを備えています。
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DX人材に必要なスキル
DX人材とは具体的にどのようなスキルが求められるのでしょうか。
ここでは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2023年に発表した『デジタルスキル標準ver.1.1』に書かれた内容をもとに、以下の3つに分類して解説します。
- ビジネスを改革していく力
- 最先端技術の知識やスキル
- リーダーシップや適応力などパーソナルスキル
それでは、見ていきましょう。
ビジネスを変革していく力
DX人材は、単にITの知識・技術を持っているだけでなく、それらを活用してビジネスを変えていく力が必要とされます。
たとえば、DXを推進するうえで阻害要因になる箇所を特定して対策する力や、ビジネス調査をおこなって業界の規模・成長性・課題を発見しそれに合わせてビジネスモデルを設計する力などです。
これらの力をつけるためには、経営層に近いマネジメントと最先端のIT技術を組み合わせて考え、実際に業務をおこなう必要があります。
また、もう少し下流の業務としては、顧客・ユーザーのニーズ調査やそれを踏まえたコンテンツの制作なども含まれるでしょう。
DX人材というとITの知識ばかり取り上げられることも多いですが、このようなビジネスを深く知り行動できるスキルも求められているのです。
最先端技術の知識やスキル
DX人材には、最先端技術の知識やスキルが欠かせません。
具体的には、AIやデータサイエンス・ソフトウェア開発・セキュリティ技術などが挙げられます。
なかでも、近年とくに大きな進化を見せているAIを扱える人材は、これからも重要視されていくでしょう。
また、それらを実際にビジネスで活用する力も必要です。
たとえばセキュリティ技術を身につけた人材がいるとして、それでビジネス上のどのような問題が解決できるのか、また具体的にどのように対策するのか実務レベルに落とし込まなければなりません。
このように、最新の技術を常に学習し続け、それらを実践できるスキルがDX人材には求められています。
リーダシップや適応力などパーソナルスキル
DX人材に必要なスキルとして、IT技術とは別にパーソナルスキルも求められています。
たとえば、チームをプロジェクトのゴールまで導くリーダーシップや、個別の問題を斬新なアイディアで解決する想像力などです。
日々IT技術が進化するなかで、これまでの知識や考え方が通用しない新しい時代に対応するため、このような力が求められます。
これらのスキルは『デジタルスキル標準ver.1.1』のなかでは「DXを推進する全ロールに普遍的に求められるスキル」と位置付けられているものです。
そのため、前述したビジネス・ITなどの技術的なスキルとは異なり、どの分野のDX人材にも必要なものであると捉えられています。
DX人材に求められるマインド
DX人材にはスキルだけでなく、業務に取り組むうえで求められるマインドがあります。
ここでは『デジタルスキル標準ver.1.1』に記載されているDX人材のマインド・スタンスを、下記の3ジャンルに分けて解説します。
- 常に変化に適応する
- ものごとを柔軟に考える
- 事実に基づいた判断をする
それでは、見ていきましょう。
常に変化に適応する
DX人材は日々移り変わるIT技術やビジネス環境に合わせて意思決定をしていく必要があるため、変化に適応しようとするスタンスはとても重要です。
そのためには、社会の変化を自主的に見つけて学ぶことや、既存の価値観を尊重しつつ新しいものを適切に取り入れようとするマインドが求められます。
また、今いる環境だけで満足せずに、さまざまな専門性を持った人と社内外を問わずコラボレーションしていく必要もあるでしょう。
このようにDX人材には、変化に対する敏感さや、それらの変化を適切に取り入れる意思が大切です。
ものごとを柔軟に考える
既存の発想にとらわれず、柔軟にものごとを考えようとするマインドもDX人材には欠かせません。
たとえば、顧客やユーザーに寄り添い、相手の立場に立ったニーズ・課題を見つけて、新しい価値観をもってビジネスの成長に繋げることです。
新しく身につけた知識・技術を積極的に使って、チーム全体を巻き込んで斬新な発想をしていくスタンスがDX人材には求められています。
また、このような取り組みを進めるには、これまでの進め方が正しいのか常に自問自答してよい方法を模索しようとする考え方も重要となるでしょう。
このように、DX人材はものごとを柔軟に考えるマインドを持ちビジネスに取り組む姿勢が不可欠です。
事実に基づいた判断をする
DX人材は常に新しい技術やスキルを学び生かしていくことが求められますが、そのなかではあくまでも事実やデータにもとづいて判断することが重要です。
ビジネス上の判断をする際には、勘や経験だけを使わず、客観的な指標をもとにした分析が求められます。
そのためには、適切なデータはどれか、どのように分析するのが正しいのか、といったデータの扱い方にも意識を向ける必要があるでしょう。
また、新しい取り組みをおこなって課題や改善案を見つけるなど、自らデータを取りにいくアプローチも大切になります。
このように、DX人材は事実ベースでものごとを判断してビジネスを進めていく必要があるのです。
DX人材を分類する5つの人材類型
『デジタルスキル標準ver.1.1』では、DX人材を5つの人材類型に分類しています。
ここでは、以下5つの人材類型について、その定義や具体的な役割を解説します。
- ビジネスアーキテクト
- デザイナー
- データサイエンティスト
- ソフトウェアエンジニア
- サイバーセキュリティ
それでは、見ていきましょう。
ビジネスアーキテクト
ビジネスアーキテクトとは、ビジネスモデルなど組織の仕組みを設計する役割を持つ人材類型です。
具体的には、新規事業の開発・既存事業の高度化・社内業務の高度化や効率化が役割として挙げられます。
これらの役割は高いビジネススキルが求められ、とくに新規事業の開発や既存事業の高度化は会社全体を巻き込んで整合性を取りながら進めていかなければならない難しいものです。
ただし、これらの役割はあくまでもIT技術を活用した実務レベルのものが対象で、経営層が行なうものは想定されていません。
このように、ビジネスアーキテクトはDXを成功に導くための考え方・実行能力を持ち、ビジネス変革を実現するための重要な役割を担う人材です。
デザイナー
デザイナーは、ビジネスと顧客・ユーザーの視点を統合し、製品・サービスの方針や開発プロセスを策定する人材類型です。
ビジネスの視点ではなく、顧客やユーザーから見た変革を推進するためにデザイナーが必要だと定義されています。
社会の変化に応じて価値創造・問題解決を行い、ユーザーが満足するサービスを提供するのが主な役割です。
デザイナーはサービスデザイナー、UX/UIデザイナー、グラフィックデザイナーなどに分かれ、それぞれ顧客価値の定義・ユーザー体験の設計・ブランドイメージの具体化などを行ないます。
このように、デザイナーに期待されるのは顧客・ユーザー視点でのアプローチです。
製品・サービスの構想・開発においてユーザビリティを重視することが期待されている人材といえます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、DXにおいて膨大なデータの中から情報を抽出・分析して課題解決策を提案する人材類型です。
分析するデータのなかには、ウェブサイト・SNS・アプリケーションにおける文章・画像・動画など、さまざまなものを含んでいます。
そのため、これらのデータを適切に収集・整理する技術が欠かせません。
さらに具体的に言えば、データを扱うためのプログラミング・データベース管理技術や、BIツールを活用するスキルなどが必要です。
また、分析結果を社内・顧客にわかりやすく見せるデータ可視化技術も求められます。
そのためには、相手にデータの有益さを伝えるプレゼンテーションスキル・コミュニケーションスキルを身につける必要もあるでしょう。
このように、膨大なデータが飛び交う現代においてそれらを的確に整理するのがデータサイエンティストなのです。
ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアは、高度な技術力を用いて具体的なソフトウェアを開発し、自社の競争力を向上させる人材類型です。
これには社外製品・サービスの開発だけでなく社内ユーザー向けのサービスも含まれ、最終的には自社の顧客・ユーザーに価値を提供することが重要となります。
変化の激しい状況でもステークホルダーと柔軟に連携し、顧客・ユーザーのニーズを満たすシステムやソフトウェアを作る能力が求められます。
そのため、ソフトウェアエンジニアは技術力だけでなくニーズに応じた柔軟な対応が重要で、継続的なスキルアップが欠かせません。
具体的には、フロントエンド・バックエンド・クラウドエンジニア/SRE・フィジカルコンピューティングエンジニアといった役割に分類されます。
それぞれ実際に求められるスキルの分野は異なるものの、ビジネス目標と技術目標を一致させ、ユーザーに満足してもらうサービスを開発することがソフトウェアエンジニアにとって重要な要素です。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティは、デジタル環境におけるセキュリティリスクの影響を抑制するための対策を行なう人材類型です。
サイバーセキュリティが重要視される背景には、DX推進を進めることでIT部門だけでなく事業部門でもセキュリティ対策の責任が増大していることがあります。
サイバーセキュリティは、IT活用に伴うリスクの評価・管理をおこなうマネージャーと、リスクを回避する対策を実践するエンジニアの役割に分けられます。
どちらの役割も、DXの価値提供とセキュリティ対策のバランスを保つことで、社内の他部門や社外関係者との連携を強化することが重要です。
DX人材を確保する方法3選
それでは、実際にDX人材を確保するにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、DX人材を確保する以下3つの方法を紹介します。
- 外部から採用する
- 内部で育成する
- アウトソーシングする
それでは、見ていきましょう。
外部から採用する
まずは、外部からDX人材を採用するという方法が挙げられます。
現在は多くの企業がDX人材を求めているため、外部からの採用は難しいのが実情ですが、採用に至りやすくなるポイントもあります。
まず、DXで解決したい社内の課題を明確にして、求めるスキル・人物像を明確にしましょう。
「DX人材」という言葉の意味は広く、どの分野でどれくらいのリソースが必要かがわからないままでは採用戦略も曖昧になってしまいます。
社内の課題を整理して、その実情をもとにDX人材を採用することが重要です。
内部で育成する
DX人材を内部で育成して確保する方法もあります。
DX人材を内部で育成すると、採用の難しいDX人材を探すリソースが削減できるだけでなく、現在の社内体制に適したDX化を実現できるのが大きなメリットです。
DX化は企業のビジネス全体に影響を及ぼすため、社内の多くの部署が関わりを持ちます。
そのため、すでに内部にいる人材を育成することで、既存の社内体制を大きく崩さずDX化をすることが可能です。
また、部門間の調整がスムーズになり効率化できるほか、大きな変化でも柔軟に対応できるメリットもあります。
このように、内部の育成は社内のシステムの一貫性を保てる点でおすすめです。
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アウトソーシングする
DX人材は採用・育成が難しい側面もあるため、アウトソーシングするのもひとつの方法です。
アウトソーシングでは委託範囲によってさまざまな分野のDX人材確保が可能です。
たとえば、社内のIT関連業務を全般的に取り扱う情報システム部門の代行や、IT機器のレンタル・保守運用を行なうホスティング、IT機器や関連業務をすべて取り持つフルアウトソーシングなどもあります。
アウトソーシングすることで人材の採用・育成よりもコスト削減ができ、コア業務に集中できる点がメリットです。
ただし、社内にノウハウが蓄積しにくかったり、大規模なアウトソーシングを長期にわたって行なう場合はコストパフォーマンスが悪くなる可能性もあります。
DX人材についてまとめ
この記事では、DX人材について以下のように解説しました。
- DX人材はIT技術への精通だけでなく、ビジネスへの応用力が必要
- DX人材にはさまざまなスキルやマインドが求められる
- DX人材の確保には、外部採用・内部育成・アウトソーシングなどがある
今後もIT技術の需要は増加の一途を辿ると見込まれます。
DX人材はこれからの企業にとって無くてはならない存在です。
2025年の崖を防ぎ、時代に合った業務効率化を進めていくためにも、それぞれの企業に適した方法でDX人材を確保してみてください。
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