DX推進スキルを職種別に徹底分解!非エンジニアが目指すべき5つのキーロールとキャリアパス

デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。多くの企業がその重要性を認識する一方で、推進を担う人材の不足が深刻な課題となっています。本記事では、経済産業省が定めた「DX推進スキル標準」に基づく5つの人材類型と、非エンジニアがDX人材を目指すためのキャリアパスを解説します。
目次
DX推進人材が求められる背景と現状
企業のデジタル変革が加速する中、DXを推進できる人材への需要は年々高まっています。しかし、必要なスキルを持つ人材は圧倒的に不足しており、多くの企業がDX推進の壁に直面しているのが現状です。
9割以上の企業がDXに取り組めていない理由
経済産業省が2020年に発表したDXレポートによると、9割以上の企業がDXに十分取り組めていないとされています。その背景には、DX推進に必要なスキルを持つ人材の不足があります。
出典:IPA「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」(2020年)
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about_dss-p.html
DXは単なるIT導入ではなく、ビジネスモデルそのものを変革する取り組みです。そのため、技術的な知識だけでなく、事業戦略の理解やプロジェクト推進力、データ活用能力など、複合的なスキルが求められます。
しかし、従来の企業内人材育成では、こうした複合的なスキルを持つ人材を十分に育成できていませんでした。IT部門と事業部門の分断、デジタル技術に関する教育機会の不足、そして何より「どのようなスキルを身につければよいのか」という指針の欠如が、DX人材育成の障壁となってきたのです。
DX推進スキル標準(DSS-P)とは何か
こうした状況を打開するため、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は「デジタルスキル標準」を策定しました。その中核を成すのが「DX推進スキル標準(DSS-P)」です。
DSS-Pのポイントは以下のとおりです。
- DXプロジェクトを牽引できる専門人材の役割(ロール)を定義
- 各役割に必要なスキル項目を体系的に整理
- 企業の研修計画や採用基準の策定に活用可能
- 2023年9月に生成AI対応の改訂版Ver.1.2をリリース
出典:経済産業省「デジタルスキル標準 ver.1.2」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html
なお、DSS-Pは全従業員向けの「DXリテラシー標準」と対を成す存在です。DXリテラシー標準が基本的なDX知識やマインドセットを示すのに対し、DSS-PはDX推進の中心メンバーとなる専門人材向けに、より具体的な役割とスキルを提示しています。
DX推進スキル標準が定める5つの人材類型
DX推進スキル標準では、企業がDXを成功させるために揃えるべき5つの専門人材の類型が定義されています。
- ビジネスアーキテクト
- デザイナー
- データサイエンティスト
- ソフトウェアエンジニア
- サイバーセキュリティ
それぞれの類型はDXプロジェクト内での役割によって異なり、相互に連携しながらデジタル変革を推進していきます。以下では、各類型の役割と必要スキルを詳しく見ていきましょう。
ビジネスアーキテクト:DX戦略を描くリーダー
ビジネスアーキテクトは、企業のビジネス戦略とデジタル戦略を統合し、DX推進の全体設計を描く役割を担います。新規事業の開発から既存事業の改革、社内業務プロセスの改善まで、DXの目的設定から施策の導入・効果検証までを一貫して推進するリーダーです。
この役割には、事業戦略立案や業務改革の知識といったビジネス変革スキル、データ分析に基づく意思決定力、そしてプロジェクトマネジメント能力が求められます。多部門の関係者を調整・牽引するリーダーシップとコミュニケーション能力も欠かせません。
たとえば、製造業がIoT技術を活用した新サービスを展開する場合、ビジネスアーキテクトは新たなビジネスモデルを構想し、技術導入による効果を最大化する戦略を設計します。社内外のステークホルダーを巻き込みながら、部門横断プロジェクトをリードしていく存在です。
デザイナー:ユーザー視点で価値を創造する専門家
DXにおけるデザイナーは、単にUIの見た目を美しくする職種ではありません。顧客やユーザーの視点に立ち、サービス全体の体験設計やプロダクト開発プロセスそのものをデザインする人材を指します。
経済産業省の定義では、デザイナーは「ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点を総合的に捉え、製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、それに沿った形で製品・サービスの在り方をデザインする人材」とされています。
具体的な職種としては、グラフィックデザイナー、サービスデザイナー、UX/UIデザイナーなどに細分化されます。いずれもデザイン思考(ユーザー中心発想で問題解決を図るスキル)やUI/UX設計の専門知識に加え、ビジネス目標を理解してデザインに反映する能力が不可欠です。
データサイエンティスト:データからビジネス価値を引き出す
データサイエンティストは、企業内外に蓄積されたデータを分析してビジネス価値を引き出す専門家です。膨大なデータの収集・解析基盤を設計・実装・運用し、分析結果から事業上の示唆(インサイト)を創出する役割を担います。
機械学習やAIのスキルも活用し、需要予測や顧客セグメンテーション、新サービスのためのデータモデル構築などを行います。たとえばEC企業であれば、購買ログを解析して顧客の購買パターンを明らかにし、最適な商品レコメンドを実現するといった仕事があります。
求められるスキルは、高度な統計分析能力や機械学習の知識、PythonやR、SQL等によるデータ処理能力です。また、ビジネスの課題を適切な分析課題に落とし込む力、分析結果を経営層や現場に伝えるコミュニケーション力も重要になります。
ソフトウェアエンジニア:DXを支える技術基盤を構築する
ソフトウェアエンジニアは、DX実現のためのシステムやアプリケーションを設計・開発・運用する技術者です。企業のDX戦略に沿ったソフトウェア基盤を構築し、業務プロセスのデジタル化や新たなデジタル製品・サービスの開発を担います。
経済産業省の定義では「デジタル技術を活用した製品・サービス提供のためにシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材」とされています。具体的なロールとしては、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、クラウドエンジニア/SRE、フィジカルコンピューティングエンジニア(IoT系)などがあります。
必要なスキルは扱う領域によって異なります。フロントエンド開発ならWebデザインやJavaScriptフレームワークの知識、バックエンド開発ならデータベースやサーバーサイド言語のスキル、クラウドエンジニアならAWSやAzure等の運用知識が求められます。
サイバーセキュリティ:デジタルリスクを管理・軽減する
サイバーセキュリティ分野の人材は、DXに伴って増大するデジタルリスクを管理・軽減する役割を担います。企業のネットワークやシステム、顧客データ等のデジタル資産をサイバー攻撃から守り、安全なDX推進環境を維持することがミッションです。
具体的な職種としては、セキュリティ施策全体を統括するサイバーセキュリティマネージャーと、技術的に対策を実装するサイバーセキュリティエンジニアに大別されます。前者はセキュリティポリシー策定やリスクアセスメント、インシデント対応の指揮などを行い、後者は脆弱性診断やファイアウォール・暗号化技術の実装、監視システムの運用などを担当します。
DXを安心・安全に進めるための「守りの要」として、ネットワークやOS、クラウド等に関する幅広いIT知識に加え、暗号技術やマルウェア分析、セキュリティガバナンスの知見など高い専門性が求められる領域です。
非エンジニアがDX人材を目指すためのキャリアパス
エンジニアリングの専門教育を受けていないビジネスパーソンでも、適切なステップを踏むことでDX推進人材へのキャリアチェンジは十分に可能です。ここでは、非エンジニア層がDX人材を目指すための具体的な戦略を解説します。
DXリテラシーの習得から始める
まず土台として、全てのビジネスパーソンに求められるDXリテラシーを身につけましょう。経済産業省が定めたDXリテラシー標準では、以下の4つの分野の基礎知識・マインドセットを習得することが重要とされています。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| Why(背景理解) | なぜDXが必要とされるのか、社会・市場・顧客の変化動向に関する知識 |
| What(技術理解) | AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン等のデジタル技術に関する理解 |
| How(活用方法) | データや技術を業務でどう使うか、導入時の留意点に関する知識 |
| Mind(マインドセット) | 変革に必要な主体性、継続学習意欲、協働姿勢 |
これらはDX時代を生き抜くビジネスパーソンの素養と言えるものです。多くの企業が社員向けにDX基礎研修を実施しているほか、UdemyやSchooなどのオンライン講座でも体系的に学習できます。
現職の強みを活かせるロールを選ぶ
次に、5つの人材類型の中から自分の適性・志向に合ったロールを見定めましょう。非エンジニアの場合、現在の職種で培った強みを活かせる領域を選ぶとスムーズにキャリアを構築できます。
企画職や事業開発出身者であれば、事業全体を見る視点やプロジェクト推進力を持つため、ビジネスアーキテクトに適性があります。マーケティング出身者は、データ分析や顧客体験向上に関心が高い場合、データサイエンティストやデザイナー(UXデザイナー)に向いているでしょう。
営業出身者は顧客課題を解決する提案力や折衝力を持つため、ビジネスアーキテクトとしてDXプロジェクトの調整役になる道があります。クリエイティブ職の方はデザイナーとして、情報システム部門やテクサポ出身者はソフトウェアエンジニアやサイバーセキュリティの専門職にステップアップしやすい傾向にあります。
学習計画を立てスキルを習得する
目指すロールが定まったら、具体的な学習計画を立ててスキル習得を進めます。効果的なスキル習得のためのステップは以下のとおりです。
- 目標設定:「いつまでにどのレベルに達するか」を明確に定める
- スキルの洗い出し:目標とするロールに必要な知識・技術をリストアップする
- 独学と研修の併用:書籍やオンライン教材で基礎を学び、外部研修で実践力を高める
- 実務への適用:社内プロジェクトに参加し、学んだ知識をアウトプットする
目標設定ではSMARTの法則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に沿うと効果的です。たとえば「6ヶ月後に○○の資格に合格する」「1年後にPythonで業務データ分析が一人でできるようにする」といった具体的で測定可能な目標を立てましょう。
必要スキルの洗い出しには、DX推進スキル標準の公表資料が参考になります。各人材類型ごとのスキル項目リストや学習項目例が提示されているため、自分に不足しているスキルを明確化できます。
スキル習得は独学と研修の両面からアプローチすることが効果的です。独学では書籍やオンライン教材で基礎知識を学び、CourseraやUdemyなどの外部研修で最新知識の体系的習得や実践スキルの向上を図りましょう。また、社内でDXに関わるプロジェクトがあれば積極的に参加を申し出ることで、実務経験を積むことができます。
DX推進スキルを証明するおすすめ資格
資格はスキル習得のモチベーションになるとともに、自身の知識を客観的に証明する手段にもなります。目指すロールに関連する資格を目標に設定して学習を進めることで、効率的にスキルアップを図れます。
ビジネスアーキテクト・デザイナー向けの資格
ビジネスアーキテクトやデザイナーを目指す方には、以下の資格がおすすめです。
- ITストラテジスト試験(IPA)
- 応用情報技術者試験(IPA)
- プロジェクトマネージャ試験(IPA)
- PMP(Project Management Professional)
ビジネスアーキテクトを目指す方には、経営戦略とITを繋ぐ知見を証明できるIPAの「ITストラテジスト試験」が特に有用です。難易度は高いものの、取得することで事業戦略とデジタル戦略を統合する能力を示すことができます。
デザイナー志望の方は、IT基礎知識を証明するIPAの「応用情報技術者試験」が役立ちます。技術理解の証明に加え、UXデザインやサービスデザインの民間資格と組み合わせることで、ビジネスとデザインの両面をカバーできるでしょう。
データサイエンティスト向けの資格
データサイエンティストを目指す方には、以下の資格がおすすめです。
- G検定(JDLA:日本ディープラーニング協会)
- データサイエンティスト検定(データサイエンティスト協会)
- データベーススペシャリスト試験(IPA)
- 統計検定(日本統計学会)
- Python 3 エンジニア認定データ分析試験
JDLAの「G検定(ジェネラリスト検定)」は、AIの基礎知識を証明する資格として広く認知されています。ディープラーニングの基礎やAIの活用方法について体系的に学べるため、データサイエンス領域への入門として最適です。
さらにデータサイエンティスト協会が主催する「データサイエンティスト検定」は、実務で求められるスキルを網羅的に問う試験です。統計学の知識を証明したい場合は「統計検定」、プログラミングスキルを示したい場合は「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」も選択肢に入ります。
セキュリティ人材向けの資格
サイバーセキュリティ分野を目指す方には、以下の資格がおすすめです。
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)(IPA)
- 情報セキュリティマネジメント試験(IPA)
- ネットワークスペシャリスト試験(IPA)
- AWS認定セキュリティ専門知識
国家資格である「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」は、セキュリティ分野の定番資格です。セキュリティ分野の知識を網羅的に学べるため、この資格を目標に学習を進めることで体系的にスキルを身につけられます。
入門編としては、IPAの「情報セキュリティマネジメント試験」が適しています。企業のセキュリティが守るべきものと脅威の種類を理解する第一歩として有効です。ネットワークの基礎知識はセキュリティ分野で不可欠なため、「ネットワークスペシャリスト試験」も関連知識として取得を検討してみてください。
DX人材としてキャリアを切り拓くために
本記事では、DX推進スキル標準が定める5つの人材類型と、非エンジニアがDX人材を目指すためのキャリアパスを解説しました。
本記事のポイントをまとめると、以下のとおりです。
- DX推進スキル標準(DSS-P)は、ビジネスアーキテクト・デザイナー・データサイエンティスト・ソフトウェアエンジニア・サイバーセキュリティの5つの人材類型を定義
- 非エンジニアはDXリテラシー習得から始め、現職の強みを活かせるロールを選ぶ
- 学習計画を立て、資格取得も活用しながら段階的にスキルを習得する
DXは多様な人材がチームで協働することで実現します。非エンジニアの方も臆することなくDX推進チームに飛び込み、自らの強みを活かして活躍していきましょう。
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