DXの内製化とは?必要とされる理由や企業のメリットを事例をもとに解説
外部パートナーに依頼していたシステム構築や、DX推進プロジェクト推進などを自社で行うDXの内製化には、コスト削減やノウハウ蓄積などのメリットがあります。ただ、内製化のポイントなどがわからない企業も少なくありません。
本記事のテーマは「DXの内製化」です。この記事を読めば、概要やメリット、ポイントなどについての理解を深められます。DXの内製化について知りたい方、内製化したい方はぜひ参考にしてください。
DXの内製化とは?
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https://www.pasona.co.jp/clients/service/xtech/column/...
DXの内製化とは、自社のDX推進におけるプロジェクトや取り組みを外注せず、社内の人材で行うことです。ビジネスとITの統合やデータ活用における重要度の高まり、コロナ禍でのオンライン化・テレワークの導入で、必要性が向上しています。内製化には、全てを社内で行う方法と、戦略立案などを社内で行い、開発といった一部の業務を社外に依頼する方法があります。
DXの内製化が必要とされる理由
DXの内製化が必要とされる理由は以下の通りです。
- 市場の変化に柔軟に対応するため
- 社内のDXリテラシーを高めるため
- 情報漏洩リスクを軽減するため
ここからは、上記について詳しく解説します。
市場の変化に柔軟に対応するため
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従来はシステムを開発する際、ベンダーと契約を結び長期間かけて構築していました。しかし、市場環境の変化が激しく最新テクノロジーが日々生み出される昨今において、長い時間を要すれば、システムの完成時に陳腐化している可能性があります。
内製化すれば、ビジネス環境や自社の状況に合わせた柔軟な対応が可能です。スピードも早められるでしょう。
社内のDXリテラシーを高めるため
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社内におけるリテラシー向上の必要性も、DXの内製化が求められる理由の一つです。DXを目的に新たなシステムを導入しても、適切な利用ができなければ期待する効果は得られません。DXやシステムは、コスト削減や人手不足解消などの課題を解決する選択肢の一つでしかありません。どの程度の効果を得られるかは、利用する「人」に依存します。
外部パートナーや一部の人だけのノウハウ共有・蓄積では効果が薄く、現場で利用する人々の理解が重要です。内製化すれば、社内におけるリテラシーの向上とともにDXの効果最大化が期待できます。
情報漏洩リスクを軽減するため
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DXを進める場合、多くのデータを分析し予測や判断の材料に活用します。対象となるデータには顧客情報や個人情報など、漏洩した場合大きな問題となる機密情報が含まれているケースもあるでしょう。
外部に依頼する場合は、機密情報の外部共有が必要になるため情報漏洩リスクがあります。通常は、契約段階でデータの取り扱いや損害発生に対する条件を定め、リスクの低減を図りますが、ゼロにはなりません。
DXの内製化をすれば、外部との情報共有が不要となり情報漏洩リスクを軽減できます。また、DXのリテラシー向上とともに、データ管理や安全性への意識も向上します。
DXを内製化するメリット
DXの内製化には多くのメリットがあります。ここからは、以下のメリットについて詳しく解説します。
- DX化のコストを削減できる
- システムのブラックボックス化を防げる
- 社内に技術的なノウハウを蓄積できる
DX化のコストを削減できる
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DXの内製化により外部委託費用が不要になるため、コスト削減が可能です。もちろん、社内リソースが必要になり、人件費が増加するケースもあるでしょう。ただ、外部ベンダーに支払うシステム構築費用やコンサルフォーは安価ではありません。外部への委託費と比べ、コストを抑えられるケースがほとんどです。
また、ベンダーにシステム開発を依頼すれば、保守費もランニングコストも発生します。外部ベンダーが開発するシステムは必要以上に高性能だったり、不要な機能が実装されたりし、必要以上にコストがかかる可能性もあります。
システムのブラックボックス化を防げる
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DXの内製化には、システムのブラックボックス化を防げるメリットもあります。全てを外部ベンダー任せにすれば、社内のシステムを正確に把握・管理ができません。とくに、複数のシステムを利用していたり、部門・部署ごとに異なるシステムを導入したりしていれば、ブラックボックス化する可能性があります。
場合によっては不要なコストの発生や、属人化し把握している人が退職した場合のリスクが高くなります。また、システムがブラックボックス化すれば、新システムへの移行が簡単ではありません。膨大な時間やコストがかかり、業務改善に向けたDX推進の足かせになるでしょう。
社内に技術的なノウハウを蓄積できる
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外部パートナーに協力を依頼すれば、トラブル発生時にそのパートナーからのサポートを受けられます。課題をスムーズに解決できる心強い存在ですが、対象業務に対する知識やスキル、ノウハウが社内にほとんど蓄積されません。継続的な依頼が必要で、コストが発生し続けます。
DXの内製化により自社で対応できるようになれば、長期的にコストを抑えられます。外部パートナーへの依頼と比べ、柔軟でスピーディーな課題解決やシステム変更も魅力の一つです。
DXを内製化する際のポイント
DXを内製化する際のポイントは以下の3つです。
- 全社的な取り組みを行う
- レガシーシステムからの脱却を意識する
- 計画的なDX人材確保・人材育成を行う
上記について詳しく解説します。
全社的な取り組みを行う
全社的な取り組みとして行えばDXの内製化がしやすくなります。経営層が理解を示すとともに、現場で働く従業員の協力が欠かせません。
内製化は短期的に実現できるものではなく、時間とコストがかかります。経営層が理解を示さなければ、投資や推進が困難です。また、DXはシステムを導入すれば完了するわけではありません。現場で活用し、はじめて効果を得られます。ただ、新たなシステムの導入は少なからず反発があり、慣れるまで時間がかかるケースもあるため、導入したものの活用しきれない企業も多く存在します。現場の従業員にも理解を得て、PDCAを回すのも必要です。
レガシーシステムからの脱却を意識する
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古いシステムであるレガシーシステムからの脱却も必要です。レガシーシステムは、管理や維持・メンテナンスに多くのコストがかかります。また、今後ベンダーのサポートが終了し、不具合があった場合に対応してもらえない可能性もあります。
「2025年の崖」における一つの問題がレガシーシステムの利用です。2025年の崖とはDX推進の遅れにより、2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生する問題のことです。
レガシーシステムの利用やメンテナンスなどには高度なスキルも必要とされる場合があり、内製化の妨げになります。内製化に向け、レガシーシステムからの脱却が重要です。
計画的なDX人材確保・人材育成を行う
https://hibiki.dreamarts.co.jp/smartdb/learning/...
DXの内製化には計画的な人材の確保と育成が欠かせません。以下を整理し、自社が求める人材の明確化と採用計画の策定がおすすめです。
- 自社内における課題
- どのようなシステムで解決するか
- いつまでに解決するか
- 解決に向け必要な知識やスキル
- いつまでに人材を調達するか
三菱総合研究所が発表したデータでは、2023年には170万人もの専門技術人材が不足すると予測されています。今後、さらにDX人材の確保が難しくなり、採用コストや人件費が高まる可能性があるでしょう。資格の取得や外部研修の利用などで、採用だけでなく自社内での育成も必要です。
また、近年はノーコードやローコードシステムも多数存在します。ノーコードやローコードシステムであれば、高度な専門知識やスキルがなくても利用可能です。人材の確保や短期的な育成が困難であれば、自社の状況に合うシステムの選択も重要です。
参照:DX成功のカギはデジタル人材の育成 第2回:DX推進に求められる「デジタル人材」とは?|三菱総合研究所
DXを内製化した事例
https://ignition.centsys.jp/dx-self-manufacture/
最後に、DXを内製化した以下の事例について紹介します。
- 株式会社良品計画
- 株式会社ファーストリテイリング
- 株式会社星野リゾート
【株式会社良品計画】エンジニアチームを拡大
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05921/
出典:株式会社良品計画
小売業界では、エンジニアの雇用によりシステム開発の内製に注力する動きが活発化しています。生活雑貨店「無印良品」を運営する良品計画では、2021年9月の「EC・デジタルサービス部」立ち上げにともない、エンジニアチームの拡大を図っています。
2021年9月から始まった3年(2022年8月期~2024年8月期)の中期経営計画で、エンジニアなどの「プロ人材」を100人規模で中途採用すると発表しました。それ以前も一定程度のシステム開発を内製化していましたが、以下の人材雇用でEC(電子商取引)やアプリのUI/UXの向上などを進める計画を策定しています。
- フロントエンド
- ビジネスサービス設計
- EC・WEB運用など
【株式会社ファーストリテイリング】高報酬のエンジニア採用を促進
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00339/112500001/
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ユニクロやGUを傘下に持つファーストリテイリングも2014年以降、デジタル戦略強化の方針を掲げています。エンジニア向けの説明会実施や、最高年収2,000万円の提示など、優秀なエンジニア採用に注力しています。
2020年7月には、ものづくりから販売までを一貫して行うファーストリテイリングのビジネス成長加速を目的に、自社開発プラットフォームを稼働させました。以前は、ブランドや国・地域ごとで異なるECプラットフォームを活用していましたが、標準化が困難で利便性のばらつきが生じていました。自社開発したシステムにより迅速な横展開ができ、スピーディーなアップデートで、顧客の要望への対応も可能にしています。
【株式会社星野リゾート】ノーコード開発で内製化を実現
https://circu.co.jp/pro-sharing/mag/article/9825/
https://dx.ipa.go.jp/interview-hoshinoresorts1
出典:株式会社星野リゾート
リゾート・温泉旅館の運営を中心に事業を展開する星野リゾートも、DXの内製化を推進する企業の一つです。新型コロナウイルス感染が拡大した際には、運営する宿泊施設でIoTを利用し、3密を回避するためのシステムを6週間で開発しました。また、政府がGoToトラベルキャンペーンを始めたときには、予約サイトをたった2週間で開発し、迅速な対応で落ち込んだ宿泊予約数を急回復させた実績があります。
星野リゾートのDX内製化に向けた取り組みの一つが、現場スタッフ含め、全社員IT人材化を目指すためのノーコード開発の利用です。エンジニア採用は簡単ではなく、離職リスクも存在します。近年の優れたSaaS製品を活用し、専門知識やスキルがなくてもDXによる業務改善のボトルネック解消が可能な体制を整えています。
まとめ
この記事では、DXの内製化における概要やメリット、ポイントなどについて解説しました。外部パートナーに依頼していたシステム構築やDX推進プロジェクトなどを自社で行う、DXの内製化にはコスト削減やノウハウ蓄積などのメリットがあります。また、市場変化への柔軟な対応やリテラシーの向上、情報漏洩リスクの低減には内製化が効果的です。内製化を行う際は、全社の取り組みに位置づけ、計画的な人材の確保・育成やレガシーシステムからの脱却が欠かせません。
なかには、はじめから全ての業務における内製化が難しい企業もあるでしょう。そのような企業は、経済産業省が定めるDX事業者認定を取得した株式会社クロスキャットにご相談ください。即戦力DX人材の育成講座やDXを活用した新事業立案・推進支援、簡易企業診断などで、サポートします。
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